2008年6月20日アーカイブ
一般的に夏かぜとは、高温多湿を好むウイルスによる感染症を指します。手足口病、ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱(プール熱)などが代表的な病気です。
手足口病:手のひら・足の裏に米粒様の水泡ができ、口の中にも口内炎ができます。時には肘・膝・おしりなどにも発疹がみられます。痛みやかゆみはほとんどありません。しかし、口内炎がひどくなると痛くて食べられなくなることもあります。高熱が出ることは少なく、数日で症状は治まります。
ヘルパンギーナ:突然の高熱・不機嫌・のどの痛みで発症します。上あごの奥に水泡ができ、38~40度の高熱が2~3日続きます。数日で自然に収まりますが、のどの痛みが強く水分も取れなくなると、脱水症状になることもあります。
咽頭結膜熱(プール熱):アデノウイルスによる感染症で、夏にプールを介して流行するのでプール熱とも呼ばれますが、プールに入らなくてもうつります。夏以外でもみられ、39~40度の高熱が4~5日続き、のどの痛みが強く、目も赤くなります。のどの検査で診断できます。頭痛・吐き気・下痢・腹痛を伴うこともあります。
感染経路は、夏かぜのウイルスが腸にも増殖するため、のどや鼻の分泌物以外に便からも感染します。予防には手洗いとうがいが重要です。症状が治まった後も2~4週間は便にウイルスが出ますので、子ども本人だけでなく、家族もオムツ替えの後などに、こまめに手洗いをしましょう。
専門の医師によると、夏かぜのウイルスに直接効く薬はないそうです。また、抗生物質も効果はありません。安静にして水分補給を心掛けて、自然に治るのを待ちます。
まれに髄膜炎などの合併症を引き起こすこともあるので、高熱・頭痛・嘔吐が続くときは早めに医療機関で受診しましょう。