2008年12月 9日アーカイブ
旅行で、免疫力の向上も期待できるといわれます。
20年前に悪性リンパ腫を患った埼玉県の主婦、根岸さん(72才)は2000年、日米のがん患者で富士登山をする企画に参加し、以来、山登りを楽しんでいます。
体力をつけるため、毎日5千~1万歩は歩くそうです。手術で胃を摘出しましたが、頑張って食べるようになりました。
根岸さんは「目標ができ、生活に張りができた。旅のおかげで、半年ごとの血液検査の結果も良好」と話します。専門の医師は「旅行にでかけると、血液中に含まれる免疫細胞の一種で、がん細胞を破壊する『NK細胞』が活性化する」と説明します。
旅先で美しい景色を眺め、優れた文化財に触れて感動するとストレスホルモンが減り、NK細胞が活性化したと考えられます。
胃がんで1993年に亡くなったアナウンサー、逸見政孝さんの妻で、自身も子宮頸(けい)がんを患った晴恵さん(59才)は昨年、仲間とトイツ旅行にでかけました。その際、都内のクリニックに依頼して旅の前後にNK細胞の活性度を調べました。すると採血した13人中10人のNK細胞が旅行前より活性化していました。
NK細胞の働きは、国内研究グループが、発がん率との関係を調べた結果が2000年、海外の医学誌に発表されました。一般市民約3500人を11年間追跡したところ、NK細胞の働きが弱い人はそうでない人より、がんの発生率が2倍近く高いという結果になりました。
活性化したNK細胞も日常生活に戻れば元に戻ってしまいます。日頃から、美しい芸術作品を見たり、映画を観たり、感動体験をする心がけが大事です。心を喜ばせれば、自然と体も元気になり、健康でいられるということです。
時間とお金に余裕のある方は、ぜひ、旅に出ることをおすすめします。