2009年3月11日アーカイブ
野菜ジュースと聞いて、真っ先に思い浮かぶのがトマトジュースという方も多いのではないでしょうか。1933年に日本で初めて販売したカゴメは、約7500ものトマトの品種を保有し、栃木県那須塩原市にある総合研究所で品種改良を重ねる一方で、健康に関する研究成果を次々と明らかにしています。
稲熊バイオジェニックス研究部長が特に目をつけているのが、トマトに含まれている「リコピン」という赤い色素です。小腸から吸収、肝臓に蓄積されるほか、血液に乗って体内を循環します。肌の老化を進める活性酸素を除去する効果のほか、最近は、シワの予防や美白効果が期待できることが分かってきました。
リコピンには、紫外線の害を抑える効果もあるそうです。1日16ミリグラム摂取すると予防作用があるという米国での報告があり、これは160グラム入りトマトジュース1本分に相当する量です。市販のジュースには、栄養成分表示でリコピンの含有量を表示している商品もあるので、参考にしてください。
稲熊部長らは、トマトジュースを飲むことで気管支ぜんそくの症状に改善が見られたり、運動後の疲労が軽減したりするなどの作用についても研究発表しています。老化による骨密度の低下を抑制する効果や、妊娠中から継続的に飲むと、母乳中のリコピンなどの成分の濃度が高まることも確認されています。赤ちゃんを紫外線の影響から守る効果などが期待されます。
リコピンは、トマトを生で食べるより、ジュースなどに加工した方が吸収されやすくなります。Reboulらの資料によると加工品の吸収されやすさは生トマトの16倍だそうです。また、他の飲み物と一緒に飲むことで吸収性がさらに高まることもあります。例えば、牛乳と飲めば、リコピンなどの吸収性がトマトジュースだけで飲むより約3倍になります。さらにオリーブ油を混ぜるのみ方もあるそうです。
ちなみに私は、吸収性はさておき、ビールとトマトジュースをハーフ&ハーフで割るレッドアイというカクテルが大好きです。