2009年3月12日アーカイブ
野菜系飲料でトマトジュースの次に人気の高いにんじんジュースにも様々な効能が期待できます。
高齢者の通所介護施設「レストランデイTEA倶楽部成城」では、にんじんフレッシュジュースを全員が食前酒代わりに飲んでいます。リンゴと一緒にパワージューサーを使った搾り立てを飲みます。約50ccと少なめですが、少量のレモン汁も入っていて、甘酸っぱい味が口に広がります。
管理栄養士の千喜良(ちきら)さんは「高齢になると食事がのどを通りにくくなりますが、このジュースを飲むことで唾液が出やすくなります」と話しています。脳梗塞の後遺症で嚥下(えんげ)障害がる利用者にも飲みやすく、認知症の人だと、ジュースが出れば食事だと認識できる効果もあるそうです。
「医者いらずの『にんじんジュース』健康法」の著者で、医師の石原結實(ゆうみ)さんが注目しているのは、にんじんジューにビタミン、ミネラルがたくさん含まれていることです。
「人間の健康を保つには、ビタミンが約30種類、ミネラルが約100種類必要とされています。にんじんジュースは不足分を補充するとともに、健康を増進させ、病気を治す原動力にもなる」と話しています。
にんじんに含まれるベータカロチンには、がんの予防や動脈硬化の予防などに効果があることわかってきました。最近増えている低体温の人にとっては、体を温めてくれる効果も期待できます。このほか、乳酸菌を増やす別の成分の働きにより、大便のにおいを抑えることもあるそうです。
主に欧州で栽培されている紫にんじんには、アルツアイマー型認知症の改善効果があるとの研究報告も出てきました。アントシアニンという色素の効果と考えられており、今後の研究が注目されます。