攻撃的な性格と心臓病
心臓は1日10万回、休むことなく拍動し、全身に血液を送っています。まさに命の源といえるでしょう。
そんな心臓の最大の敵が「虚血性心疾患」です。心臓の筋肉に酸素などを届ける「冠動脈」が詰まって心筋の一部が壊死(えし)する「心筋梗塞」と、狭まって胸痛を繰り返す「狭心症」など、心臓病が原因で亡くなる人の4割以上を占める怖い病気です。
「虚血性心疾患になりやすい性格があります」と榊原記念クリニック分院副院長の伊東さんは話しています。
米国の複数の研究が根拠とされています。性格や行動が攻撃的、挑戦的な人を「タイプA」、これと反対に内向的で、のんびりして目立たない人を「タイプB」と分類します。虚血性心疾患の発症率を比べると、タイプAはタイプBの約2倍にもなることが分かりました。「A」は英語のアグレッシブ(攻撃的)の頭文字で、「B」には特別な意味はありません。
伊東さんは「タイプAの人は、慢性的にストレスを受けている状況にあり、ストレスホルモンが多く放出されて血管が収縮し、狭心症などを起こすのではないか」と説明しています。「最近は、とりわけ攻撃性や怒りの感情が関係していることが分かってきた。趣味などを持ってリラックスすることが大切」と助言します。
怒りや不安、うつ症状などの特徴がある「タイプD(ディプレッション=憂うつのD)」と、虚血性心疾患の発生率の関係も調べられています。ただし、今のところ、証明には至っていません。
ちなみに、感情を抑えて周囲に同調する傾向がある人はストレスのため、がんになりやすいのではないか、と「タイプC(キャンサー=がん)」の研究も行われていますが、こちらも未解明だそうです。
タイプA人間判別表
以下の質問でA・B・Cのどれにあてはまるか答え、点数を合計してください。
A「いつもそうである」2点、B「しばしそうである」1点、C「そんなことはない」0点
(ただし、、質問の5、6、9は、Aが4点、Bが2点、Cが0点)
- 忙しい生活ですか?
- 毎日の生活で時間に追われるような感じがしていますか?
- 仕事、その他なにか熱中しやすいほうですか?
- 仕事に熱中すると、他のことに気持ちのきりかえができにくいですか?
- やる以上はかなり徹底的にやらないと気がすまないほうですか?
- 自分の仕事や行動に自信をもてますか?
- 緊張しやすいですか?
- イライラしたり怒りやすいほうですか?
- きちょうめんですか?
- 勝気なほうですか?
- 気性がはげしいですか?
- 仕事、その他のことで、他人と競争するという気持ちを持ちやすいですか?
判定=17点以上は、「タイプA」と考えられます。
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