2009年4月23日アーカイブ
春野菜を長く楽しむには、漬物にする方法があります。
「新鮮な春野菜の風味を閉じ込められるし、ほんの一手間で生よりおいしくなります」と話すのは山形市で漬物づくりの普及活動をしている新関さとみさんです。
葉物が多い春野菜で、お勧めなのが浅漬けです。漬物石を使わずにできるものが多く、1週間程度は楽しめます。
切った野菜100グラム当たり、2グラムの塩をまぶします。それをポリエチレンの袋に入れてよく振り、新関さん特性の漬け汁を野菜がすっかり漬かるように注ぎます。袋から空気をしっかり抜き、袋の口を縛るのがポイントです。
他の料理や片付けをする合間に、さらに2~3回空気を抜きます。かかる時間は15分ほどです。冷暗所に半日から1日置くと、できあがりです。
浅漬けは、漬け汁が野菜の細胞に入り、漬け汁と野菜のうまみがスープのように混ざって染み込んだ状態です。「野菜の食感が落ちるので、袋はもみません」と新関さんは言っています。
春野菜の漬物は、色も大切です。菜の花はお湯を一瞬くぐらせたうえで漬けると、緑鮮やかになり、青臭さも抜けるので一石二鳥です。
「漬物は塩分が多くて健康に悪い」と、敬遠する人も多いようですが、漬物に詳しい宇都宮大名誉教授の前田安彦さんは「市販の漬物も最近は低塩になっており、主食のように大量に食べるわけでもないから大丈夫。少ない量で生よりも多くの野菜が食べられるし、何より食欲が進みます」と話しています。
漬物のもうひとつの魅力は乳酸菌です。一晩漬けるだけで漬物1グラムあたり1億~10億個に増え、免疫力を高めたりする効果があります。牛乳などにいる動物性の乳酸菌に比べ、植物性乳酸菌は活性が4~5倍も高いそうです。
新関さん特性の漬け汁
白だししょうゆ30、みりん10、酢1の割合。白だししょうゆの代わりに、普通のしょうゆでもよい。浅漬けは、野菜100グラムあたり漬け汁12CC、水30CCで漬ける。