フルマラソン完走者の約半数が中高年
42.195キロを走るフルマラソンの愛好者が増えています。今年3月の東京マラソン(定員3万人)には22万6000人が参加を申し込み、7倍を超える狭き門となりました。
中でも目立つのが中高年ランナーの増加です。雑誌「ランナーズ」が、2008年度の国内大会(52レース)と一部海外レースの結果をまとめた記録集によると、男性完走者の半数、女性完走者の4割が40代以上でした。
高齢ランナーの活躍も目立ちます。70歳の最高記録は男性3時間10分、女性3時間52分と、若者も真っ青の記録です。最高齢完走者は91歳でした。中高齢ランナーの中には元マラソン選手もおりますが、多くは特別な運動暦はなく、健康維持のために走り始めた人たちなのです。
福岡大学スポーツ科学部教授の田中宏暁さんは「心臓などに持病がある人や、太り過ぎの人は医師に相談することが欠かせないが、高血圧や高脂血症などは走ると改善していく」と話しています。
米国のスタンフォード大学が、ランニングクラブの50歳以上の会員284人を約20年追跡した調査では、この会員の死亡率は15%で、走る習慣がないグループの34%を大幅に下回りました。ランニングが、心疾患やがん、認知症を予防する研究もあるといいます。
マラソンは、「忍耐」や「根性」のスポーツと思われがちですが、田中さんは「マラソンは、楽に走らなければ完走できない。楽なペースで長く走る練習を続ければ、だれでも完走できるようになる」と言っています。
笑顔で会話ができるペースのランニングを1日30分~1時間続けるだけで、完走できる体力がつくそうです。「忍耐」や「根性」よりもまずは、楽しむことです。フルマラソンは、競争意識が強い人よりも、走ることをより楽しんだ人が完走できるのではないでしょうか。完走者の中に中高年の方が多いのも納得できます。
まずは、ウォーキングからでも始めてみてはいかかでしょう。
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