2009年7月21日アーカイブ
<くしゃみをしたら、おしっこが漏れてしまった>
<家に着いたら突然トイレに行きたくなったが、トイレまで我慢できずに漏らしてしまった>
中高年女性の4人に1人はこうした症状があるとされ、経産婦では2人に1人が尿漏れ(尿失禁)になるといいます。女性にとって、それほど一般的であるにもかかわらず、「人に言うのは恥ずかしい」と、一人で悩みがちのようです。
また、「年をとったら仕方のないこと」とあきらめて、漏れるからといってスポーツをやめたり、旅行に行かないようにしたりと行動を制限することで対処している女性も多いそうです。
しかし、東大和市病院泌尿器科の医師、大川あき子さんは「尿漏れは予防や改善が可能です。どんなときに漏れるのか。症状によって尿漏れのタイプを知り、対応策を検討しましょう」と話しています。
最も多いのが、お腹に力が入ったときに思わず漏らしてしまう「腹圧性尿失禁」です。縄跳びなどの跳躍運動をしたときや、くしゃみをしたときなどに尿が漏れてしまいます。これは、膀胱(ぼうこう)や子宮などの臓器を支えている骨盤底筋(こつばんていきん)と言われる筋肉が弱くなっているために起こります。骨盤底筋は出産や肥満、加齢などによって弱くなります。
次によくあるのが、尿意があったとき、トイレまで我慢できずに漏らしてしまう「切迫性尿失禁」です。普通は膀胱に尿がたまると、尿意を感じ、排尿します。これは、尿意がなくても排尿してしまうなど、膀胱のコントロールがうまくできなくなっているタイプです。
二つの混合タイプや、脳の障害や糖尿病など、ほかの疾病と関連した尿漏れもありますが、腹圧性、切迫性尿失禁ともに、骨盤底筋を鍛えることで症状の改善につながります。次回は簡単な骨盤底筋体操をご紹介します。
症状でみる尿漏れのタイプ
腹圧性尿失禁
- 走る、縄跳びなど運動すると漏れる
- せき、くしゃみ、大笑いなどで漏れる
- 歩行、階段を下りるときに漏れる
切迫性尿失禁
- トイレまで我慢できず漏れる
- 急にトイレに行きたくなって困る
- 水仕事するとトイレに行きたくなる