2009年8月 3日アーカイブ
夏本番です。乳幼児を暑さから守るのと同時に、あせもやオムツかぶれといった肌のトラブルを予防しなくてはいけません。
紙オムツメーカー大手のユニ・チャームの調査によると、夏場、乳幼児のあせもの発症率は約60%に達するそうです。特にオムツをあてた腰やおしりなどに多く見られます。
同社生活科学研究所と大学などの共同研究では、あせもの発症後、皮膚に付いている表皮ブドウ球菌という常在菌が急増していました。これを抗菌剤で抑えた結果、あせもの発症率は半減しました。同研究所では「まず清潔にすること。汗をかいているなと思ったら、シャワーを浴びさせたり、着替えさえたりしてください」と助言しています。
オムツかぶれは、オムツにくるまれた部分の皮膚に起きる炎症です。オムツの内側は汗や尿などで常に“高温多湿”で、皮膚がふやけた状態になっています。そこへ、便や尿の「化学的刺激」のほか、便をふき取ったり、オムツじたいが肌にこすれたりする「物理的刺激」が加わることで、肌が傷めつけられてしまうのです。
神奈川県立こども医療センター皮膚科部長の馬場直子さんによると、有効なのはこまめなオムツ替えだそうです。その際、肌に付着した便は、できればシャワーで洗い流してください。市販のおしりふきでごしごしするのは禁物です。水をたっぷり含ませたティッシュペーパーや柔らかいガーゼで、洗うように丁寧にふけば肌へのダメージは少なくてすみます。そして、すぐに、オムツをするのではなく、5~10分程度必ず乾燥させることが大切です。
夏は汗の量が増える分、尿は減るため、オムツの交換の回数も減りがちです。馬場さんは「オシッコをしていなくても2時間に1回くらい、オムツを外し、10分間ほどおしりを外気にあてて、肌を乾燥させてあげて」と話しています。
オムツかぶれ予防の主なポイント
- オムツ交換をこまめに行う。オムツをあてるときは必ず肌を乾燥させてから。ふやけた肌がもとに戻る。
- 着用前にワセリンなどの塗り薬を塗れば、バリア機能が補強される。
- 紙オムツは柔らかく、なめらかな材質のものや、肌にピッタリとくっつきすぎないものを選ぶ。