2009年9月25日アーカイブ
秋も深まり日が短くなるにつれ、何もやる気がしなくなってくるということはありませんか?もしそうなら、日照時間が短くなることで発症する「冬季うつ」かもしれません。
冬季うつでは、
- 朝起きにくく日中も眠気が強い
- 炭水化物が無性に食べたくなる
- 物事への意欲・興味がなくなる
などの症状が表れます。
食べる量が増え、冬だけ体重が数キロ増える場合も多く、また一方で悲愴感は少ないようです。これは、目から入る光の刺激が減り、脳内で気分を調整する神経伝達物質のセロトニンの分泌量も落ちるのが原因とみられています。
国立精神・神経センター部長の三島和夫さんによると、別表のチェックリストで12点以上だと、冬場に発症する可能性が高く、8~11点は予備軍で、国内でも緯度が高い地域に引っ越したり、室内での仕事が増えたりすると発症する恐れがあるということです。
冬季うつチェックリスト
Q 季節によって各項目はどのくらい変化しますか。
なし:0点、少し:1点、中程度:2点、かなり:3点、極端に:4点
- 睡眠時間
- 人とのつきあい
- 全般的な気分の良さ
- 体重
- 食欲
- 活動性
評価:合計が12点以上だと冬場に発症の可能性が高い。8~11点だと予備軍。
症状は早ければ9月後半に始まり、翌年4月ごろまで続きますが、光を秋から積極的に浴びることで発症を防いだり、和らげたりできます。三島さんは曇りの日でも30分以上、散歩などで外出することを勧めています。天候不良で外に出られない日は、窓際で1時間程度屋外を見続けましょう。
肉、魚、豆腐、ナッツ類、バナナなどを食べることも大切です。これらの食べ物には、セロトニンのもとになるアミノ酸「トリプトファン」が多く含まれています。
球場のマウンドを上回る5000~1万ルクスの光を発する市販の照明器具の活用も冬季うつの対策になるようです。秋冬も夏と同じだけ光を浴びられるよう、早朝や夕方に机の脇に置いておくといいかもしれません。最近では、光療法 も注目をあびていますので、ぜひ、専用器具の使用もためしてみてはいかがでしょう。