2009年10月25日アーカイブ
今や半数以上の家庭で使われているという入浴剤。多彩な商品がありますが、どう使えば使えば良いのでしょうか。
花王の入浴剤グループ・ブランドマネジャー野村由紀さんによると、入浴剤は大別して、体を温めるタイプと肌のかさつきを防ぐタイプがあります。
温めるタイプのうち、硫酸ナトリウムなどの無機塩類を含む粉末の入浴剤は、肌に皮脂を作り、湯冷めを防ぎます。固形の入浴剤は、溶かすと発生する炭酸ガスの血管拡張作用で体を温めます。粉末タイプに比べると、体の疲れをとる効果重点を置いています。
かさつきを防ぐタイプは、保湿成分を含む液体タイプです。入浴中に肌に保湿成分を取り込ませ、乾燥を防ぎます。
入浴剤は、こうした基本的な効果を持っていますが、利用者が最も求めているのはリラックス効果だといいます。「目的を聞くと、香りや色を楽しみたいという人が最も多い。最近は浴室にテレビが付くなど、第二のリビングとして少しぜいたくに過ごしたいという人が増えているようだ」と野村さんも話しています。
日本にはもともとショウブ湯やユズ湯などの伝統があります。このような自然素材を使った入浴剤で季節を味わってみてはいかがでしょうか。(下記表参照)
お風呂に関する調査研究をしている東京ガス都市生活研究所によると、ミカンの果皮にはリモネンという精油成分が含まれていて、血行促進の効果があるそうです。また、肌にいいクエン酸やビタミンCもあります。同じかんきつ類のユズも同様の効果があり、芳香成分が気持ちをリラックスさせてくれます。
入浴は毎日の習慣だけに、ちょっとした工夫の積み重ねが、意外に大きな健康効果を生むかもしれません。
とはいうものの何かと忙しい現代人。自然素材で自作するのは時間も手間もかかります。市販のものを使用するのも良いのではないでしょうか。また、入浴剤の贈り物も喜ばれると思います。
伝統的な自然素材の入浴剤
春
ヨモギ・・・20cmほどの葉先5~6本を刻み、布袋に入れて鍋で煮て煮汁を入れる。
夏
ハッカ・・・陰干しした葉約30gを布袋に入れ、2ℓの熱湯をかけて約20分浸し、汁と布袋を入れる。
秋
ショウガ・・・根ショウガ(40~50g)をすりおろし、絞り汁を入れる。
ミカン・・・陰干しした20個分の皮を布袋に入れて浴槽に。
冬
ユズ・・・果実に2ℓの熱湯をかけて約20分浸し、冷めたら布袋に入れて絞り、汁と布袋を入れる。果実を半分か輪切りにして浮かべてもいい。
マツ・・・生の葉をぬるま湯で洗い、鍋に入れ、水から火にかけて約20分煮出す。布でこして煮汁を入れる。
今でこそ、固形の入浴剤はあたりまえですが、花王がバブを発売するまでは、そうとうな苦労がありました。市場をツムラのバスクリンが独占していた時代のことです。そんな状況の中、バブを開発・販売した花王のサクセスストーリーが以前、テレビで紹介かれておりました。頭を柔軟にして、いろいろな発想をすることは大切なことですね。