2010年1月28日アーカイブ
明るくさわやかな笑顔の決め手は口元からのぞく、輝く白い歯です。
歯の構造は3層になっています。厚さ1、2ミリのエナメル質、その下に象牙質、神経や血管が通る歯髄があります。半透明のエナメル質から、内部の象牙質の薄い黄色が透けて見えるのが歯の自然な色です。
これが、加齢により、エナメル質が薄くなったり、象牙質がより黄色く変化することによって、黄色く見えるようなります。
また、酸蝕(さんしょく)症という症状もあります。
炭酸飲料や果物などが含む酸で歯が解け、冷たいものを食べた時などに歯がしみる知覚過敏が起こります。さらに歯のエナメル質が変化して透明度が増したり、エナメル質が溶けて、その下の象牙質がむき出しになったりして、歯の色が黄ばんでしまします。
一度溶けた歯を元には戻せません。東京医科歯科大教授の田上さんは、「歯は毎日の食事で酸にさらされ、ある程度の酸蝕は仕方がありません。酸性の強い飲食物でも、そのとり方を工夫すれば、症状の進行を穏やかにできます」と話しています。
まず、控えたいのは「ながら飲み」です。仕事や運転をしながら、だらだら飲み続けるのは、歯が常に酸にさらされていることになり、溶けやすくなります。ジョギングなど運動後の水分補給も注意が必要です。口の中が乾いて、口の中を中性に戻す唾液が出にくい状態では、さらに酸蝕されやすくなります。
エナメル質が溶けだすのはPH5.5より低く、酸性度が強くなった時です。(表参照)
酸の強い飲食物をとった後、すぐの歯磨きは控えたほうがよいでしょう。酸にさらされた歯は軟らかいので、ここで歯を磨くと、さらに表面が削れやすくなってしまいます。歯磨きをする目安は、食後30分程度です。この間に、唾液の働きで口の中が中性に戻ります。また、唾液に含まれるカルシウムやリンが、溶けた歯を元に戻す再石灰化の働きもしてくれます。
田上さんは、「酸性の強い飲食物をとったらすぐ、お茶や水で口の中を中和させるのも有効です。赤ワインにチーズ、紅茶に牛乳など、再石灰化を促すカルシウムが豊富な乳製品を合わせるのも良いかもしれません」とアドバイスしています。
黄色くなってしまった歯を白くしたいときは、ホワイトニングという方法もあります。薬(漂白剤)と自分の歯型に合わせて作った専用のマウスピース(トレー)を使って行います。
自宅で行う方法と、歯科医院で行う方法の2通りあます。いずれも治療は自費になり、上下で5万円程度かかるようです。
もっと詳しく知りたい方は、日本歯科審美学会のサイトをご覧ください。
⇒ 日本歯科審美学会