2010年4月 9日アーカイブ
中学の環境の変化になじめず、不登校などのきっかけにもなってしまうのが“中1ギャップ”です。新中学生の親は、子どもの心の健康への配慮も必要です。
「今の中学生の最大の関心事は周りと仲良くつきあえるかどうか。新入生には、親が想像する以上のストレスがかかります」と、日本学校保健会事務局次長の並木茂夫さんは話しています。
元中学校長として生徒と対話してきた並木さんの親へのアドバイスは「春はひたすら子ども話を聞くこと」です。会話していても、子どもの話を聞いていない親は意外に多いそうです。親への研修会ではまず、“悪い聞き方”を実演しているそうです。例えば、頼まれてもいないのにアドバイスしたり、家事をしながら適当に相づちを打ったり・・・。必ず「それ私です」と声が上がるそうです。
逆に良い聞き方は、価値判断を加えずに「大変だったね・・・」と共感を示しながら、話を引き出すようにします。カウンセリングでも使う基本的な方法で、話すことによって、感情や考えが整理され、自分で解決策を見出していくのだといいます。一緒にオロオロする親もいるそうですが、毅然と構えることが大切です。
春を過ぎても解決しなければ、担任やスクールカウンセラーに相談してみてください。ただし、並木さんの経験では、子ども自身が乗り越えることがほとんどだそうです。「『親に話を聞いてもらえた』ことが、大人が思う以上に子どもの心の安定につながることを知ってほしい」とアドバイスしています。
聞き上手になるための3つのポイント
- 話に意識を集中させる
- 相手の気持ちを理解しようとする
- 話を引き出す