2010年6月10日アーカイブ
首の痛みの多くは、筋肉の疲労や緊張が原因で起こります。特に首に悪いのが、パソコンを使った作業などで首を動かさないまま同じ姿勢を長く続けることです。血流が滞って筋肉が疲れ、痛むようになるためです。
JR東京総合病院麻酔科・痛みセンターの有田英子さんは「痛みは早め早めに解消しないと、痛みの悪循環を引き起こし、慢性化しかねません」と警告しています。運動神経や交感神経を刺激して新たな痛みを引き起こすなど、どんどん痛みが長引くようになるといいます。
疲労や緊張による首の痛みは、背骨など日常生活の姿勢を見直したり、運動で首を動かしたりすることで和らげられます。首から肩、背中を動かすストレッチを取り入れましょう。両肩をゆっくり上げ下げしたり、胸を張ったり、すくめたり、また、ひじを曲げて、両腕をぐるぐる後ろや前に回してみるのもいいでしょう。肩甲骨(けんこうこつ)を動かすようにするのがポイントです。硬くなっている筋肉を伸ばして血行を良くし、疲労や痛みを引き起こす物質を押し流す効果があります。
「首を温めると気持ちが良いようなら、入浴時などに温めながら運動してもいいですね」と有田さんも話しています。
それでもひどい痛みが続くようなら医療機関の受診をおすすめします。神経に局所麻酔薬などを注射する「神経ブロック」や赤外線を当てる「光線療法」などで痛みを抑えることもできるのです。
首や肩のストレッチ
胸を張る
ゆっくりと息を吸いながら背すじをのばし、胸を張る
胸をすくめる
息を吐きながら背を丸め、左右の手を逆のひざにおいて胸をすくめる