2010年6月29日アーカイブ
夏になると、いろいろな虫が活発になってきます。ハチに刺される被害も8~9月に多くなります。特に攻撃的なのはスズメバチです。東京医科歯科大非常勤講師の篠永哲さん(国際環境寄生虫病学)は「ハチが人を刺すのは防御のためなので、巣を刺激するのは危険。近づかない方がよい」と話してします。
ハチに出くわしたとき、バタバタするのは避けましょう。ハチは動くモノに反応するためです。姿勢を低くするだけで、やり過ごせることもあるのです。においも刺激になるので、野山に行く際は強い香水も避けた方が無難でしょう。
万が一刺されたら、傷口を流水で洗い、つまんで毒を押し出します。症状は、主に痛みと腫れです。炎症を抑えるために冷やした方がよいでしょう。また、ステロイドの塗り薬も使われます。通常なら皮膚症状は数日で引くそうです。
怖いのはアナフィラキシーショックと呼ばれる過剰なアレルギー反応です。個人差はありますが、1度刺された人が再度刺されると、ハチの毒への抗体が過剰反応する恐れがあります。呼吸困難などで年に十数人~数十人の死亡が報告されています。
刺された直後に、息苦しくなったり、じんましんが出たりしたら、すぐ救急車を呼びましょう。また、携帯できる自己注射(エピペン)を医師に処方してもらっておく方法もありますが、保険が効かず費用は1万数千円程度です。ちなみに、「おしっこをかけると治る」という俗説は何の根拠もありません。
また、夏の虫というと、蚊もいますね。日本にいる蚊は100種類以上で、昼間しか刺さない蚊、夜に刺す蚊など、さまざまです。基本的に、吸血する虫は、呼吸で出る二酸化炭素を感じて動物に近づきます。汗をかいたり、アルコールが分解されたりする際は大量の二酸化炭素が出るので、虫を寄せ付けやすくなってしまうのです。
キャンプやハイキングなど野外で遊ぶ際には、気をつけましょう。