2011年4月アーカイブ
春から進学や就職で一人暮らしを始める人も多いでしょう。心身の健康を保つためにしっておきたいことを紹介します。
慣れない環境で、帰宅すればひとりぼっち、気持ちがめいるかも―。「落ち込んだ時には日記をかいて」と勧めるのは、企業や大学で心の健康について助言しているライフバランスマネジメント研究所代表の渡部卓さんです。書くだけで気分が少し軽くなるといいます。
ショックだった出来事やそのときの気分、なぜそう考えたのか、もう一人の自分ならどう思うかなどを思うままに書く。同じ状況で別の考え方はないか、考え方を変えたら気分がどう変化するかをチェックでき、気持ちが切り替わります。「上手に書こうと思わず、メモのように気負わずに書きましょう」と渡部さんは話します。
歌うことも効果的です。歌詞にある「好き」「ありがとう」「~したい」など、日常生活では言葉にしにくい感情表現を口に出すことで、心にしまい込んでいる感情が解放されてすっきりします。時には一人でカラオケに行き、涙を流してもいいでしょう。携帯電話の待ち受け画面を緑の写真にしたり、暖かくなれば森を歩いたりするのもリラックスにつながります。
「だだし、遅刻が2週間程度続き、不調が著しい場合には産業医や大学の健康管理センターなどに相談を」と渡部さんは話しています。
一人暮らしで心の健康を保つには
- マイナス評価をうのみにして悩まない
- 自分を他人と比較しない
- 同僚や級友との共通点を探して話題にしよう
- 緊張の場面では複式呼吸
- 毎日いくつも自分を褒めよう
- トラブル時はメールよりも直接話す
- パソコンもテレビも見ない日を設けよう
東日本大震災から明日で一ヶ月です。長引く避難生活で被災者がビタミンなどの必要な栄養を取れない恐れが出てきました。支援に携わる栄養士たちは「一刻も早い対策が必要」と訴えています。
日本栄養士会は、先月13日に緊急対策本部を発足させ、被災地支援ができる栄養士を全国から募りました。第一弾として、宮城県気仙沼に派遣されていた専務理事の迫和子さんは「まだおむすびとパンといった炭水化物しか届かない避難所もある」と現状を話します。
阪神大震災時には、1週間程度で、周辺から弁当などが届いたといいます。ですが、今回は「被災地が広く、避難所が点在して、物流も途絶えている。救援物資のご飯とパンだけの災害初期の食事がこんなに続くのは想定外」と話しています。
同会会長で、対策本部長も努める中村丁次さんは、「炭水化物をエネルギーに変えるには、ビタミンB群が欠かせないが、体には数週間しか蓄積できない。肉や野菜などが届かない所では、すでに欠乏に陥っている可能性がある」と心配しています。
ビタミンだけでなく、たんぱく質不足が続けば、筋力が落ちます。管理栄養士で同志社女子大教授の小松龍史さんは「体重の減少や体がだるいなど不調が表れている人は、ビタミンやたんぱく質、ミネラルなどの栄養が欠乏している可能性がある」と注意を促しています。
特に糖尿病や腎臓病など食事療法が必要な持病がある場合は管理栄養士のアドバイスを受けたいところです。中村さんによると、減塩しょうゆなどの「病者用食品」が手に入らないか、医療機関などに聞いてみるのも手だといいます。糖尿病の人は、少しずつ食べたり、おかずとご飯を一緒に食べたりすれば、血糖値の急上昇を防げるでしょう。塩分制限がある腎臓病の人はみそ汁の量を少なめにしましょう。