日本電産社長の永守重信氏

昨日のカンブリア宮殿という番組に永守さんが出演しておりました。
経営危機になった会社を買収して、リストラなしでV字回復させてしまうというパワフルな社長です。

一番印象的な言葉は「雇用が最大の社会貢献だ」です。

これはその通りだと思いますが、なかなか実行できるものではありません。
雇用がリスクであるという一般的な流れの中で、本当に熱い一言だと思います。
口だけでなく、実践しているところが永守さんのすごいところです。

また、個人の能力の差は、ついても5倍、2倍つけばいいほうだが、やる気には100倍差がつくとも言っていました。
確かに、やる気があれば能力はあとからついてくるものです。

ここで、会社をV字回復させるために永守さんが実際ににやったことをご紹介します。

 1.社員のコスト意識をUPせよ
 2.まじめに働けば報われる
 3.チリも積もれば利益となる
 4.3Q6S

以上のようなことです。

具体的に説明すると

「社員のコスト意識をUPせよ」とは、仕入れなどの交渉です。
値切りの限界点が交渉の始まりだと言っていました。
この辺は向き不向きというか得意な人とと不得意な人がいると思いますが・・・
得意な人にやってもらうのがいいでしょう。

「まじめに働けば報われる」とは、社員の意識改革です。
永守さんの指導の後、社員は始業の30分前に出社し、掃除などをして始業時間からすぐに仕事ができるようになったそうです。
結局会社の利益が上がらなければ、社員の給料だって上がらないわけですからね。
ちなみに、一年間の労働時間は一割くらいアップしたそうです。
ただ、キッチリとした給料やボーナスの計算式がって、利益が上がれば、しっかりと社員に還元される体制が整っております。

「チリも積もれば利益となる」とは、経費削減です。
いろいろなところの経費を削減していました。例えば、紙は両面使うとか、トイレの便座暖房使用は10月〜3月までとか、必要ない電気は消すとか、電話をかけるときは用件を整理して、短くすませるとか、・・・
経費削減部というのを一年間限定で発足して、不要な蛍光灯を三割ほどはずしたりしていました。
永守さん本人も文房具やティッシュはホテルからもらってきたものを使用していました。

「3Q6S」とは、企業の基本です。
3つのクオリティー(良い社員・良い会社・良い製品)を保つためには、6つのS(整理・整頓・清掃・清潔・作法・しつけ)が必要ということです。

M&Aというと少し前は会社を安く買って、分割して売るとか、高く転売するといったイメージがありましたが、永守社長がやっているのは本当に社会貢献だと思います。

関西ではやりくり上手な人を“始末家”と呼ぶそうです。決してケチではありません。

だって、永守さんは買収した先の会社のぼろい社員寮をみて、こんなところで暮らしていたらいい仕事ができないからと、10億かけて新しい社員寮をつくってしまうくらいですからね。

これからも益々、健康に気をつけて活躍して頂きたいと思います。