セブン&ホールディングスとイオンの小売業2強が、そろってプライベートブランド(PB)に力を入れています。食料品や生活必需品の値上げが相次ぐ中、安さで勝負するプライベートブランド(PB)の売り上げは最近特に伸びています。
イオンのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」は現在、食料品を中心に約5000種類で、今年3〜5月の売上高は前年同期比32%増の795億円でした。
セブン&ホールディングスのプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」も昨年5月の第1弾発売以来、現在は約400種類に広がり、この1年間で当初計画を60%上回る800億円を売り上げました。
両社はプライベートブランド(PB)の充実を業績アップの切り札と位置づけていますが、考え方には多少の違いがあります。
「セブンプレミアム」は全商品に、製造を委託しているメーカー名を明記していますが、「トップバリュー」にはメーカーの表示はありません。
「セブンプレミアム」は、「品質に責任を持つのは当然だが、消費者はどこの誰が作ったかしりたいはず」と、消費者の立場を考えた結果だとしています。
一方「トップバリュー」は、「販売者が責任を持つ。小売業はメーカーの販売代理人ではなく、消費者の代理人であるべきだ」と説明しています。ちなみに、中国にある加工用インゲンの農場では、イオンの子会社の社員が「隣の農場から農薬が飛んでこないか」までチェックするそうです。
また、セブン&ホールディングスは、商品数を1年半後に今の3倍となる1300種類に増やすそうですが、「プライベートブランド(PB)は商品全体の20%が限度。売り場がプライベートブランド(PB)ばかりだと消費者の選択肢を狭める」と品揃えのバランスを重視しています。
これに対し、商品数を当面6000種類まで増やす方針のイオンは、「将来は食品の半分がプライベートブランド(PB)になってもいい」と、プライベートブランド(PB)を重視しています。
前置きが長くなりましたが、具体的なプライベートブランド(PB)の価格は以下のようになっております。
以前、アメリカのセブンイレブンは、ポスデータを見て、売れない商品をなくした結果潰れてしまいました。現在日本のセブンイレブンは、めったに売れない商品でも並べてあります。売れない商品には、他の売れる商品を売るという役割があるわけです。
だから、選択肢を狭めるということはかなり危険なんです。
私の尊敬するセブン&ホールディングスの会長である鈴木敏文さんは「流通業は心理学である」と言っていますが、いろいろな教えが「セブンプレミアム」にも生かされているようですね。
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