世の中に無駄は無いというのが私の基本的な考えだ。
それは、哲学的なことであって、日常の仕事の中でムダをなくす努力は当然必要である。
そうなると、基本中の基本だが、やはり「5S」の徹底が必要になる。5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」のことだが、なかでも整理と整頓を徹底することでかなりのムダが省けるし、ムダが目に見えるようになってくる。
5Sというと、「何をいまさら」という声も聞こえてきそうだ。あるいは、「5Sを実践しているが、一向にムダがなくならない」という人もいるかもしれないが、それは本当の5Sをやっていないからである。
トヨタ式で言う本当の5Sというのは、「いらないものを処分することが整理であり、欲しいものがいつでも取り出せることを整頓という」である。この定義が表すように、必要なものが誰にでもすぐに取り出せることが最大のポイントになる。
まずは、不要なものを分け、思い切って捨てることが重要だ。ポイントは「いつか必要になったら困るから」といったつまらない言い訳は無視すること。
必要なものだけが残ったら、次はそれぞれの置き場所を決める。それも所番地まで決めるようにするのだ。これで、たとえ新人でも何がどこにあるかがすぐに分り、必要なものが簡単に取り出せるようになる。これが本当の整理整頓である。
これは、どんな仕事にも当てはまる。会社の規模にもよるが、それこそ数百万円、数千万円のムダが見つかることもある。ぜひ、5Sの整理整頓から始めて欲しい。
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