私は、尊敬すべき、たくさんの人たちから「諦めないことの大切さ」を教わりました。
ですが、バートランド・ラッセルという論理学、数学、哲学の学者は次のように言っています。
「目的追求のための努力は大切だが、ときに、その目的への執着によって全体が見えなくなり、幸せから遠ざかることがある。そんなときは『あきらめる勇気』も必要だ」
私はこの矛盾に悩んでしまいました。
そして、悩んだ末に出した結論は、「何を諦めないかが大事」ということです。
例えば、会社の存続という大きな目的があるとすると、赤字をたれ流してる事業を諦めることもあるでしょう。この場合、一事業は諦めても会社の存続は諦めないことになります。
また、子どもたちが将来住みやすい国にするということが大きな夢だとすると、私たちはいろいろと諦める勇気を持たなくてはいけません。消費税率の引き上げだったり、TPPの参加だったり。
この場合、私たちは一見幸せから遠ざかるように思うかもしれませんが、子どもたちの未来の幸せ=自分の幸せと考えることができる人なら、いろいろと諦める勇気も持てるはずです。
何だか、話しが大きくなってしまったので、身近な例を上げてみます。
もし、あなたに大好きな人がいるとします。しかし、その人には他に好きな人がいることが分かりました。
さて、どうしますか?
諦めずに追い求めるのか、それとも諦める勇気を持つのか。
結局、正解も不正解もないので、私としては「心に素直に」としか言えません。
ですが、大好きな人の幸せが大きな目的だとすると、身を引く勇気も必要だと思います。この場合、自分の恋は諦めても、大好きな人を幸せにするという目的は諦めないことになるのではないでしょうか。自分が大好きな人を幸せにできないなら、他の人に頼むしかありませんからね。
さてさて、いろいろな理屈をつけましたが、結局、諦めないことが一番大事だと思うのです。
なので、最初のバートランド・ラッセルの言葉を次のように勝手に変更してみました。
「目的追求のための努力は大切だが、ときに、その小さな目的への執着によって、大きな夢から遠ざかることがある。そんなときは『あきらめる勇気』も必要だ」
やっぱり、諦めなければ失敗はないのです。継続は力なりです。
三丁目の夕日という映画がありますが、その中で、茶川さんはどんなに厳しい状況の中でも小説を書き続けています。彼は小説を書き続ける限り小説家なのです。
また、世の中にはさまざまな矛盾が溢れています。
そうした矛盾を行ったり来たりして、人は螺旋階段を上るように成長していくのではないでしょうか。
考えることや学ぶことを放棄しない限り、人はいくつになっても成長できると思います。
大きな夢や志をしっかりと持って、諦めずに日々努力したいものです。
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