日本の議員報酬〜血と環境〜

ワタミ株式会社の創業者で現在は取締役会長のわたなべ美樹さんのブログを拝見しました。
こちらの記事です。
⇒ 議員数と報酬 〜日本の政治家は2世3世で溢れている〜

この中で、日本の議員数は、国際的に見て、決して多くはない、と言っています。

北欧諸国を例に出して、国の人口に対する議員数が決して多くないことを証明しています。

ただ、決定的に違うところは二世、三世議員の数です。確かに、先日の自民党総裁選でも、立候補した全員が二世以上の議員でした。

一方、スウェーデンやデンマークでは、政治家の二世、三世というのは非常に稀だそうです。

「政治家ほど、ワリの合わない仕事はない。仕事はきつく、給料は安く、私生活の何から何まで監視され、プライベートさえない。政治家の家に生まれた子どもは、その親の姿を見ているから、政治家になろうとは思わない」というのが主な理由です。

わたなべさんは記事の最後に、日本の議員報酬について、疑問を投げかけています。

さて、先日、これについて、税理士さんとお話しする機会があり、貴重な意見を伺いました。

それは、日本に昔から根付く、血や家という概念です。

それが最も強く表れているのは、天皇の血をはじめとする身分の高い人たちの血ではないでしょうか。

また、歴史をみても、血というものが大きく影響しています。

例えば、北条氏は血筋のせいで、将軍にはなれませんでした。

豊臣秀吉も公家である近衛前久の猶子として関白宣下を受けるというまわりくどいことをしております。

物語でも血をテーマにしたものが多数あります。

例えば、魔女の宅急便でも、魔女の血というものがひとつのテーマになっておりました。

また、嵐の大野智さんが主演した怪物くんの映画でも、怪物王子という血がひとつのテーマになっていると感じました。

こういった血というものを大事にする日本の概念が、政治家の二世、三世を生んでいるのかもしれません。

確かに、○○家は代々、政治家の血筋とか、医者の血筋とか言われると、そういうものだと思ってしまいますからね。

一方で、中居正広さんが主演した「模倣犯」という映画では、血よりも環境が大事ということが、ひとつのテーマになっております。(原作は読んでいなのでわかりませんが)

ちなみに、ワンピースは、血と環境の大事さをバランス良く表現していると思います。

また、ビッグダディなどの大家族物語も、血と環境をひとつのテーマとしてみれなくもないような気がします。

ということで、日本の二世、三世議員について、わたなべさんとは視点を変えて、血と環境といった内容で少し書かせていただきました。

さて、わたなべさんの記事の内容に戻ると、結局、日本の農家が減った理由は、スウェーデンやデンマークでの政治家と同じで、ワリに合わない仕事をしている親の姿を見て、あとを継がないからです。

ただ、一部の儲かっている農家は、キチンと二世、三世へ続いています。
なので、現在も農家をやっている方は、逆にとても裕福な方が多いような気もします。

資本主義の世の中なので、報酬は大事です。

頑張った人が、それなりの報酬をもらえるように、世の中への貢献度が数字でピッピッとでる機械でもあれば良いのですが、そんなわけにはいきませんからね。

わたなべさんの記事にもありましたが、西郷隆盛は「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人でなければ、政治家になってはいけない」と言っています。

これくらいの覚悟の元で、仕事をしている政治家は、それ相応の報酬をもらうべきだと考えますが、実際、ひとりでも多くの国民を笑顔にするために命を懸けている方が何人いらっしゃるでしょう?

改めて、日本の議員報酬について、疑問を投げかけて、終わりにしたいと思います。

ありがとうございました。