アウフヘーベンとはドイツの哲学者であるヘーゲルが提唱した概念である。
日本語にすると止揚。
要するに、らせん階段で発展するということだ。
例えば、しっかりと他人の意見を聞くことができる人は、自分の意見のみをゴリ押しすることはしない。
相手の意見を踏まえて超えて、自分の意見を押すなら、それもいい。
また、ときには、相手の影響を受け、自分の意見が変わることもある。
それは、常に自分自身を成長させようと、今ここを一生懸命に生きていれば仕方のないことだ。
だから、過去の自分の意見にこだわり過ぎる必要はない。
つまり、過去の自分を踏まえて超えて、常に自分自身を進化させる必要があるということである。
最初から意見も聞かずに、相手を否定してはいけない。
また、他人から言ってることがコロコロ変わると言われても、自分の理念をしっかり持っていれば、気にする必要はない。
それに、自分の理念が高いところにあれば、他人の意見など大抵は踏まえて超えられるだろうし、もしも自分の意見が変わったとしても誤差の範囲である。
私自身も、長年サイトやブログを運営しているが、手を替え品を替えしているだけで、言いたいことの本質は変わっていない。
実は今回も、今までずっと言ってきたらせん階段で成長することの重要性を「アウフヘーベン」という表現に変えただけなのだ。
また、それを両行と表現したこともあった。
テクニック的なことを言うと、語彙が増えれば何となく賢くみえる。
アウフヘーベンも、嫌味にならないように気を付けながら、あなたの語彙のひとつとして活用していただきたい単語のひとつである。
ところで、福山雅治さん主演のガリレオシリーズで「真夏の方程式」という映画をご存じだろうか。
例えば、この前半部分にあった開発側と環境保護側が対立しているところなど、冷静な湯川教授を通してアウフヘーベンの必要性をうまく表現していたと思う。
すでに観たという人も多いだろうが、アウフヘーベンということを意識しながら、改めて観るのもおもしろいかもしれない。