カテゴリー: 名経営者が残したあの言葉

六つの精進

前回の続きで、経営者として、あるいは一人の人間として、どのように精進すれば良いのか?

それについても、稲盛和夫氏の「経営者のこころ」で言及されていたので、以下にてご紹介したい

~心を高めるために~
「六つの精進」の実践が
すばらしい人生と経験をもたらす

1.誰にも負けない努力をする

人は誰でも、自分は努力している、がんばっていると主観的に考えがちです。

しかし、本当にすばらしい人生を生きていこうとするならば、人並み以上に努力を払い、仕事に一生懸命打ち込むことが大切なのです。そのためには、まず仕事を好きになることです。好きだからこそ仕事に没頭でき、悔いがないという状況をつくることが必要です。

それには仕事に惚れ込んで、夢中になって、人並み以上の努力が自然にできるような状態に、自分を置くということです。これが誰にも負けない努力をすることの要諦なのです。

2.謙虚にして驕らず

「ただ謙のみ福を受く」という言葉があります。人は謙虚にして初めて幸福を受けることができるという意味です。

成功する人とは、内に燃えるような情熱や闘争心、闘魂を持っていても、謙虚で控えめな人です。生きていく上では、謙虚な振る舞い、謙虚な態度が大切なのです。しかし、人は往々にして、成功したり地位が上がると、謙虚さを忘れ傲慢になりがちです。こうした時にこそ、「謙虚にして驕らず」ということが、なおのこと大切になるのです。

3.反省ある毎日を送る

一日が終わった時に、その日を振り返り、反省をすることが大切です。例えば、「人生に不愉快な思いをさせなかったか」「不親切ではなかったか」「傲慢ではなかったか」「卑怯な振る舞いはなかったか」、さらには「利己的な言動はなかったか」というように、一日を振り返り、「人間として正しいこと」を行ったかどうかを確認するのです。

自分の行動や発言で、もし反省することが少しでもあれば、改めていかなければなりません。反省のある毎日を送ることで、人格(魂)が磨かれていき、すばらしい人生を送ることができるのです。

4.生きていることに感謝する

人は決して自分一人で生きてはいけません。空気や水、食料、また家族や職場の人たち、さらには会社など、自分を取り巻くあらゆるものに支えられて生きているのです。

こう考えた場合、健康で生きているならば、そこに自然と感謝の心が出てこなければなりません。感謝の心が生まれてくれば、人生に対する幸せを感じられるようになってきます。生きることに感謝し、幸せを感じる心によって、人生を豊かで潤いのあるすばらしいものに変えていくことができるのです。

不平不満を持って生きるのではなく、現状あるがままを、あるがままに感謝し、さらなる向上を目指して一生懸命に努力する。そのためにも、まず生きていることに感謝すべきなのです。

5.善行、利他行を積む

「積善の家に余慶あり」と言います。これは善行を積んできた家には、よい報いがあるということです。

世の中には因果応報の法則がり、よい行いを重ねれば、家や家族はもちろん、個人の人生にもよい報いがあります。利他業もこの善き行いの一つです。人が生きる上では、善きことを思い、実行していくことが大切です。善きことを積み重ねていくことで、私たちの人生は開け、よりよいものとなっていくのです。

6.感性的な悩みをしない

人生では、心配事や失敗など、心を煩わせるようなことがよくあります。しかし、一度こぼれた水が元へと戻ることがないように、起こってしまたことをいつまでも悔やみ、思い悩んでも意味はありません。クヨクヨと思い続けることは、心の病を引き起こし、ひいては肉体の病につながり、人生を不幸なものにしてしまいます。

すでに起こってしまったことはいたずらに悩まず、新しい思いを抱き、新しい行動に移っていくことが大切です。済んだことに対しても、感情や感性のレベルで心労を重ねるのではなく、理性を物事を考え、新たな行動にただちに移るべきです。そうすることが、人生をすばらしいものにしていくのです。

以上

まさにおっしゃる通りである

経営はトップの器で決まる

京セラ・第二電電(現・KDDI)の創業者で盛和塾の塾長でもある稲盛和夫氏の「経営のこころ」より、以下引用

さて、「カニは甲羅に似せて穴を掘る」ということが、時として人々の口にのぼってきます。これは、カニが自分の甲羅の大きさの穴しか掘らないように、人は自分の身の丈に合わせたことしかできないという、世間一般に流布していることわざ、いわゆる俚諺(りげん)です。

しかし、このことは単なる世間智(処世の知恵)ではなく、企業経営においてはまさに核心を突いた要諦なのです。経営においては実際に、業績は経営者の「器量」、つまりその人間性、人生観、哲学、考え方、あるいは人格の通りにしかならないものなのです。

例えば、ご存知のように、京セラでは「アメーバ経営」という小集団部門別採算の経営を行っていますが、なかにはアメーバが発展するにつれ、うまく運営できなくなるリーダーが出てくるのです。あるいは、抜擢されて、大きな組織を担当するようになると、力を発揮できなるなるリーダーが存在するのです。

これは、企業経営でもよくあることかもしれません。会社が小さいうちはうまく治めていたはずの経営者が、会社の規模が大きくなるにつれ、経営者としの役割を果たせなくなるということが、往々にしてあるはずです。

それは、単に能力のみならず、その集団のリーダーの人間性が、組織の発展に合わせて高まっていなかったために起こることだと私は考えています。組織の拡大に伴い、発生する問題も次第に大きくなり、高度化し、複雑化していきますが、人間性が高まっていなければ、その新しい局面に対応できなくなってしまうのです。

引用ここまで

「ビジネスは人を超えない」と私もずっといってきた

自分の器を超えた経営者が会社を倒産させたり、事業規模を小さくしたり、といったことを私自身も実際にみてきた

言い回しこそ違いはあるが、改めて、「ビジネスは人を超えない」ということを確信できる内容だったので、ここに紹介させていただいた

要するに、企業のトップは、まずは一人の人間として常に精進していないと、会社を発展させ、安定した経営を続けることはできないということである

運が人を選ぶ

「雀鬼(じゃんき)」の異名を持ち、麻雀の世界で一度も負けなしの無敗伝説を作った桜井章一氏は、「運は求めてやってくるものではなく、運が人を選ぶ」と語っている。

下記の三つを意識することが運に選ばれる秘訣なんだとか。

  1. 人との関係について感じたり考えたたりする「相互感」
  2. 全体を見通す「全体感」
  3. 変化のタイミングをとらえる「時の感覚」

これらの要素は、互いにつながり合って動いているという。

この三つのつながりを感じ取れるように、日々努力することが、運に選ばれる近道なのかもしれない。

 

余談だが、漫画家の故・赤塚不二夫さんは、麻雀をやる際、相手に申し訳なくてロン(他人が捨てた牌でアガる事)ができなかったという。

なので、ツモ(自分が引いた牌)でアガるしかないわけだ。

ボクサーなら、左手一本で戦っているようなもの。

だが、ほとんど勝てなくても、仲間とやる麻雀が好きだったという。

ちなみに、これは、以前、テレビでタモリさんが言っていた内容だ。

 

世に出る人たちは、実にユニークである。

してはいけない五か条

1973年にノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈(エザキレオナ)氏は、自身の経験を通して、「ノーベル賞を取るために、してはいけない五か条」を述べているので、ご紹介したい。

  1. 今までの行き掛り(しがらみ)にとらわれてはいけない
  2. 大先生にのめり込んではいけない
  3. 無用ながらくた情報に惑わされてはいけない
  4. 自分の主張をつらぬくためには、戦うことを避けてはいけない
  5. 子供のようなあくなき好奇心と初々しい感性を失ってはいけない

以上

この五か条の中から、ご自分なりの課題をつかんで、良き世の中を造るために役立てていただければ幸いである。

経営とは

「相反する目標をどうやって達成するかが経営なんですね」

これは、ヤマト運輸元会長:小倉昌男氏の言葉である。

つまり、理想と現実のバランスをいかに上手にとれるかということだろう。

経営者は、ただの夢見る夢子ちゃんでもダメだし、日銭の奴隷になってもダメなのだ。

上記のどちらかに偏った経営者はたくさんいるが、バランスを上手くとれる人は少ないと思う。

また、経営者とは、良くも悪くも会社、さらには世の中を変える決断を常にしていかなくてはならい。

最低限、自分の会社を変える決断すらできならなら、経営者である資格はないと思う。

だた、中小零細企業の経営者なら、守銭奴でもなんとかなるだろうが、上場企業ともなると話しは違う。

確実に、決断の根本となる夢や理想がないと始まらない。

若くして思いがけず儲かって、勢いで上場したものの、その後、行き詰まる経営者もしかり。

ひと時、歴史ある大企業の経営者が創業家から消えたことも、最近、創業家から経営者が返り咲いている企業がいくつかあるのもそういうことだ。

大企業の経営者として周りが認める実力者が、たまたま創業家だったということだろう。

要するに、ビジネスは人を超えない。

改めて、経営とは難しいと感じる今日この頃である。