■今までのシルクの活用
織物・手術糸(縫合糸)・パラシュートなど
■バイオテクノロジー技術による今後のシルクの可能性
医療・化粧品・食品(現在も宇宙食で利用されている)・電子部品など新たな分野での素材になる。
生糸だけでなく、カイコそのものを利用する研究も進んでいる。
・遺伝子組み換え
遺伝子組み換えにより以前より容易に必要なタンパク質を持つカイコを作出できるようなった。(カイコはタンパク質工場である)
・セリシンとフィブロイン
シルクはフィブロインがセリシンに包まれてる。セリシンを精練すると上品な絹織物になる。
セリシンは水溶液として利用しやすいので、化粧品などにも利用しやすい。
フィブロインはすぐに固まってしまう(ゲル化)ので、水溶液としての利用が困難である。そのため、多くの製品が加水分解物・誘導体・粉末など低分子化のフィブロインとして利用されている。
・高分子フィブロイン水溶液
下記の成分を混ぜることで、高分子フィブロン水溶液(2%)を40℃で3ヶ月以上保つことに成功。
1.メトキンクマリン(接触を妨げる壁)
2.シクロデキストリン(分子間結合を切断する)
3.アルギニン(電荷引力を防げる)
■製品化する際に材料としてシルクの価値を上げる方法
1.従来育種法で作出したカイコ新品種
2.遺伝子組み換えで作出したカイコ新品種
3.シルクの化学処理(化学修飾)
4.2と3の融合
5.カイコ以外の昆虫を利用する(スズメバチシルクやクモのシルク)
■養蚕業
現在養蚕農家は全国で500強。工場より養蚕農家を増やすことに尽力している。(バランスも必要)
作出したカイコ新品種は基本的に従来種同様に飼育可能。
また、伝統的な蚕糸業は富岡製糸の世界遺産登録も含め、観光業として発展する可能性もある。
個人的にも養蚕業の復活を願っている。