「人がやってからでは遅い。誰もやらないうちにやらなければならない。人がいない、技術がない、資金がないと言っていたら事業はできない。自分が一人で商売を始めた時もそうだった。それでもこれだけの会社ができた。その時の状況に比べれば、今の方がはるかに恵まれている。だから私は自動車開発をやめない」
・管理人の感想
鈴木氏は1887年に静岡県浜松市で生まれ、1909年に「鈴木式織機製作所」を設立した。織機だけでは、いずれ限界が来るのを感じ、1930年代に一度自動車の開発に挑戦しているが断念。その後、1951年バイクの製造に着手し、1953年発売の「ダイヤモンドフリー号」で大成功を収め、翌1954年、本格的に小型自動車の開発を始めた。試作車すらない段階で社名を「鈴木自動車工業」に改称している。これはその頃の言葉である。
「恵まれている」という言葉には、このような背景がある。
さて、現代はものが溢れている。今、誰もやらないことをやるのは、昔以上にむずかしい。
だが、こんな時代だからこそ、新しいものづくりに情熱を燃やさなくてはならないのかもしれない。