上信越自動車道の下りで甘楽あたりを走っていると、左の山の上にお城のような建物が見える。
何かと思ったら、お城風に造ったという牛伏山展望台であった。
展望台に上ってみると、群馬の街並みや近隣の山々が見渡せる。
また、展望台から少し歩くと、牛の彫刻が目につく。
その先には、琴平神社の鐘があったので、世界平和を願いながらついてきた。
なんだか表題の件で世間がさわがしい。
いろいろなご意見があると思うが、私が一番感じたのは、ジャニーズ事務所の衰退である。
SMAPの解散を引き金に、事務所の影響力が弱まっているように思う。
ビジネスはひとを超えないと、ずっと言ってきたが、社長であるジャニー喜多川さんもそろそろ引き際ではないだろうか。
また、コメントで気になったのは、ダウンタウンの松本人志さん。
細かい事は割愛するが、技能界の第一線で活躍することは、以前にもまして厳しい時代になった。
松本さんも例外ではない。
ずいぶん前に島田紳助さんも引退し、とんねるずの「みなさんのおかげでした」も終了した。
今回の事件に対する松本さんのコメントをたまたま目にした。
本人が自覚しているかどうかは知らないが、なんとなく第一線に留まることが苦痛になっていうように感じた。
彼が、そこから退く日も遠くないのかもしれない。
さてさて、山口達也さんのわいせつ事件。
すでに、示談が成立して、本人も無期限謹慎だという。
デリケートな事件だけに、これ以上騒ぎ立てる必要性があるのだろうか。
もっと、さわがなければいけないニュースは他にもあるはずである。
電通の違法残業に関する記事をたまたま目にした。
私自身も経験があるのでよくわかるが、クリエイティブな仕事は、時に時間の概念を超えてしまう。
そういう仕事は、だいたい締め切りや期限があるので、なおさらである。
それこそ、寝る時間さえおしい時期もある。
そう、いわば、良きものをつくろうとするクリエイティブ集団は、変人の集まりなのである。
だが、今思えば、そんな仕事に携わっているとき、そんな場所があったときは幸せだった。
例えば、黒澤明監督は、映画「赤ひげ」の背景のひとつで、決して映ることのない薬棚の中身にまでこだわった。
スタッフからすれば、そんなのどうでもいいことであるが、黒澤明としては、その場のリアルな雰囲気を撮りたかったのだろう。
ここに、ただのサラリーマンクリエイターか変人かの分岐点があると思う。
サラリーマンなら心の中で「そんなのどうでもいいからチャッチャと終わりにして早く帰ろうよ」とつぶやく。
変人黒澤明を尊敬するものや同調するものは、「そこまでこだわるとは、黒澤明監督はやっぱりすごい」と言って、すぐに薬集めに飛び回る。
さて、電通の話に戻ると、良きものをつくろうとすると、思いがけずに時間がかかることもある。
それには色々な要因があると思うが、変人のこだわりもそのひとつであろう。
ただ、彼らをうまく活用すれば、世界(少なくともこの国)が変わるかもしれないというのも事実だ。
なぜなら、彼らは変人(変える人)だから、良くも悪くも大いなるエネルギーを持っている。
そんな変人たちが、走り出したら誰にも止められないものである。
だが、恐らく、サラリーマンクリエイターが大多数。
そんな中で、変人とのバランスをうまくとっていくのが、電通経営陣の仕事なのだと思う。
まあ、それが、むずかしいところであるわけだが、、、
例えば、変人は、別会社にするか、フリーランスにするか、特別ルールをつくるか。。。
そもそも、業務内容自体がビジネスなのかアートなのかという根本的な問題にも発展してしまうし、変人の線引きもむずかしい。
いずれにしても、こうなると、もはや誤差の範囲でしかないかもしれないが、少しでも効率よく作業を進める段取りがサラリーマンクリエイターの仕事だろう。
今は資本主義の時代。
その中で、広告は大きな役割を担っている。
寝ることさえ厭わない変人とサラリーマンクリエイターが共に事を成すのはむずかしいが、社員ひとりひとりが、自分に合ったワークライフバランスをうまく保てるようなシステムをつくる必要があるだろう。
みんなが納得して気持ちよく働ける。
結局はそれこそが、効率よく良きものづくりをするための最短ルートなのかもしれない。
今から十三年前。
私が恩師のビジネスセミナーで学んだことの中に「ボーダレス」というキーワードがあった。
読んで字のごとく、いろいろな境目がなくなるということである。
細かいことは割愛するが、今、感じるのは、当時から予想されいていた男女のボーダーが、いよいよなくなってきたということだ。
もはや、会社が社員を守ってくれる時代は終わった。
若者は、経済的な理由や将来の不安から結婚できない。
無事に結婚しても、共働きでないと、子育てできない。
こうして、女性は家庭を守るだけでなく、世に出て稼がなくてはならない時代になったわけである。
そうなると、有能なひとは、性別を問わず活躍する場ができる。
つまり、男性は外で稼いで女性は家庭を守るという図式は、すでにくずれているというわけだ。
そうなると、女性でも仕事ができれば、バリバリ稼ぐようになる。
中には、家計を支える妻と子供のために家事をこなす主夫もでてくるのは当然なことである。
そして、英雄、色を好むといはよく言ったもので、稼ぐひとは男女を問わず色を好むのが人間の性なのだろう。
最近ご活躍の女優や女性議員の不倫騒動が相次いでいるのは、そういった時代の象徴ではないかと考えている。
私自身は、以前から「心に素直に」と言っている。
なので、特に彼女たちの生き方をとやかく言うつもりもない。
かつて、不倫が発覚してニュースになるくらいのとある男性政治家と酒の席で一緒になる機会があった。
私が、その件について何気なく聞いてみると「ちゃんと仕事をしてるんだから、それくらいいいだろう」と言っていた。
彼を擁護するわけではないが、奥さんからどんなに非難されようとも、それなりの仕事をしているから離婚には至っていないのだろう。
現在、不倫騒動で話題の女性陣の中には、「明らかに給料ほど仕事してないんじゃないの?」と思われる人も何人かいるが、まあ、彼女たちの本音は、上記の政治家と同じようなところかもしれない。
それにしても、一般庶民の浮気調査をする探偵同様、他人のあんな秘密写真を撮る(盗る)ということがビジネスになってしまうのだ。
誤解を恐れずに、あえて彼女たちの本音を代弁すると「なんだか住みにくい国になってきた」といったところだろうか。
さて、環境はボーダレスになったとしても、所詮は男と女。
要するに、最近流行りのキーワードになっている「一線」もボーダレスになってきたということかもしれない。
なにはともあれ、それなりの立場にあるなら、せっかくの偉大な恋愛エネルギーを良き世の中にするために、有効活用していただきたいものである。
世の中を支えているのは、体に汗をかく者。
世の中を変えるのは、体に汗をかく者に作業を与えるため、頭に汗をかいて考えている者。
未来を創るのは、世の中を変える者を育てる者。
ゆえに、良き未来を創るには、良き教育が必要である。