カテゴリー: 名経営者が残したあの言葉

してはいけない五か条

1973年にノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈(エザキレオナ)氏は、自身の経験を通して、「ノーベル賞を取るために、してはいけない五か条」を述べているので、ご紹介したい。

  1. 今までの行き掛り(しがらみ)にとらわれてはいけない
  2. 大先生にのめり込んではいけない
  3. 無用ながらくた情報に惑わされてはいけない
  4. 自分の主張をつらぬくためには、戦うことを避けてはいけない
  5. 子供のようなあくなき好奇心と初々しい感性を失ってはいけない

以上

この五か条の中から、ご自分なりの課題をつかんで、良き世の中を造るために役立てていただければ幸いである。

経営とは

「相反する目標をどうやって達成するかが経営なんですね」

これは、ヤマト運輸元会長:小倉昌男氏の言葉である。

つまり、理想と現実のバランスをいかに上手にとれるかということだろう。

経営者は、ただの夢見る夢子ちゃんでもダメだし、日銭の奴隷になってもダメなのだ。

上記のどちらかに偏った経営者はたくさんいるが、バランスを上手くとれる人は少ないと思う。

また、経営者とは、良くも悪くも会社、さらには世の中を変える決断を常にしていかなくてはならい。

最低限、自分の会社を変える決断すらできならなら、経営者である資格はないと思う。

だた、中小零細企業の経営者なら、守銭奴でもなんとかなるだろうが、上場企業ともなると話しは違う。

確実に、決断の根本となる夢や理想がないと始まらない。

若くして思いがけず儲かって、勢いで上場したものの、その後、行き詰まる経営者もしかり。

ひと時、歴史ある大企業の経営者が創業家から消えたことも、最近、創業家から経営者が返り咲いている企業がいくつかあるのもそういうことだ。

大企業の経営者として周りが認める実力者が、たまたま創業家だったということだろう。

要するに、ビジネスは人を超えない。

改めて、経営とは難しいと感じる今日この頃である。

寅さん名言集001

第39作『男はつらいよ寅次郎物語』で、秀吉少年が寅さんに「なんのために生まれたのか」と尋ねると、「何度かいいことがある」と答える。

この世に生まれても、つらいことばかりである。

だが、「何度かいいことがある」ものだ。

生まれてくる理由など、きっとそんなものかもしれない。

人生で、たった何度かあるいいことのために、あるいは、たった何度かいいことを起こすために、今ここを一生懸命に生きるしかない。

おもしろ人事

ある会社でユニークな人事を行っている。

一般企業の部長職に当たる役職を選挙で決めるそうだ。

「上三年にして下を知り、下三日にして上を知る」

こう言われるように、上司は部下のことを理解していないが、部下は上司のことを良く理解しているのである。

だからこそ、部門長は部下が選ぶのが理想的なのだという。

確かに、選んだ部下も選ばれた部長も、このやり方が一番やりやすいと思う。

この人事を導入している社長は次のように言っている。

「私にこびを売るばかりの部下はいなくなるうえ、私が部門長を選ぶ手間もはぶけます」

確かにその通りである。

きっと、社員も働きやすい会社だと想像できる。

ソフトバンク2.0~孫正義の後継者~

ソフトバンクの孫正義社長は、実質的な後継者としてニケシュ・アローラ氏を指名した。

ニケシュ氏はインド出身で、現在47歳。

Googleのナンバー2として実質的に経営を取り仕切っていた人物である。

ソフトバンクに参加したのは、2014年の7月からだという。

6月の株主総会で代表取締役副社長に就任する予定である。

今回の人選は、2010年に掲げた孫正義社長の「30年後、時価総額200兆円、世界トップ10の会社になる」という目標を達成するために、逆算方式で考えぬかれた結果であるという。

また、同年、後継者育成のためにつくった「ソフトバンク・アカデミア」で、孫正義社長は後継者の条件を「10年で時価総額を5倍にすること」と規定した。

当時のソフトバンクの時価総額は3兆円で、その後は約9兆円となっている。

9兆円の時価総額を今から5倍にするとなると、10年で45兆円にしなくてはならないことになる。

ちなみに、Googleは約44兆円で、世界第3位である。

日本一のトヨタでさえも約19兆円で、世界では20位前後。

世界トップ10の会社を目指すには、世界中の優秀な人材の中から後継者を選ぶ必要があったのだろう。

「今までは日本のソフトバンクが海外の会社に投資を行う立場でしたが、これからは第2のソフトバンクとして、世界のソフトバンクが日本に事業展開しているといった立場になりたい」

これは孫正義社長の言葉である。

これを“ソフトバンク2.0”と表現する記事があったので、ありきたりな言い回しだが、そのまま流用した。

さて、もともとソフトバンクは、ソフトの銀行という社名の通り、(アプリケーション)ソフトの卸業としてスタートしている。

だが、その後は、Yahoo! BBをはじめ、ボーダフォン日本法人買収による携帯電話参入など、通信事業が中心になっていた。

ちなみに、ボーダフォン買収前に球団を買収したのは、Yahoo! ブランドの影にかくれていたソフトバンクという社名を世に知らしめる目的もあった。

確かに、ソフトバンクは数々のイノベーションを起こして、今では日本の通信事業で業界トップに躍り出た。

だが、個人的にキャリアとしてのソフトバンクには、最近、魅力を感じなくなっていた。

おそらく孫正義社長の意識は、すでに国内の通信事業の先へ向かっていたのだろう。

そこで、今回の後継者発表。

有言実行の孫正義社長が言うように、元Googleのナンバー2と共に、これからは世界の(アプリケーション)ソフトバンクへと進化していくことを確信してる。

一時期、ソフトバンクモバイルは、ドコモやauに巻き帰されるかもしれない。

だが、これからは、国籍を問わずに、優秀な人材が世界のソフトバンクへ集まってくると予想される。

そして、世界を相手に別事業を展開するようになれば、国内の3つのキャリアの争いなど、ソフトバンクにとっては誤差の範囲になってしまうかもしれない。

そういえば、楽天の三木谷会長は、以前、社内の公用語を英語にすると言っていた。

その後、どうなったかはわからないが、ソフトバンクは、わざわざ宣言しなくても、自然とそうなるかもしれない。

改めて、孫正義という人は、ほんとうに我々と同じ生身の人間なのだろうかと思えてくる。

だが、やっぱり同じ世界の人間なのだ。

龍馬伝の話題など、ツイッターを通して身近な存在に感じていたころが懐かしい。

いずれにしても、人は身分相応でなくてはならない。

今の自分の立場を客観的にみて、大きな時流の中で世の中の一歩先をいく努力をしなくてはならないのだ。

雲の上の大きな存在が巻き起こす風を感じながら、今ここを一生懸命に生きるしかない。

世界平和という大きな夢をみながら。