血管年齢に影響する動脈硬化の予防に睡眠が深くかかわっていることが最近、わかってきました。
米シカコ大は中年男女495人を対象に5年間、心臓の冠動脈血管の内壁をコンピューター断層撮影(CT)し、動脈硬化の患者に見られる石灰化(カルシウム沈着)と睡眠との関係を調べました。
その結果、睡眠時間が平均5時間未満の人に石灰化が見られたのは27%。5?7時間では11%、7時間以上寝ている人は6%と、睡眠時間が短いほど動脈硬化の危険性が高まりました。
国内でも同様の研究があります。東京女子医大は2002年度から3年間、静岡県の旧大東町(現・掛川市)の町民178人を対象に血管年齢を測定して、生活習慣との関連を調べました。血管年齢が実年齢より10歳以上高い人で見ると、飲酒、喫煙以外に塩分の過剰摂取と睡眠障害を抱えていました。つまり、血管の健康には睡眠も重要な因子ということになります。
また、「生活習慣病の予防の柱は、食事、運動そして睡眠」と訴えるのは、久留米大医学部精神神経科教授の内村さんです。夜更かしをしてテレビをみたり、パソコンに向ったりしる現代人は睡眠不足に陥っているといいます。そこで、睡眠をうまくとる方法をご紹介します。(下記参照)内村さんは、「生活習慣をすべて見直すことはできなくても、やれるところから始めれば、健康を取り戻せるはず」と話しています。
睡眠をうまく取る方法(一例)
- できるだけ早く帰宅し、自宅では明かりを暗くする
- 就寝1時間前からテレビやパソコンをつけないようにする
- 昼休みなどを利用して10?20分程度昼寝をするか目を休める(昼寝を長く取ると夜の睡眠が浅くなるので注意)
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