今から約9年前。ちょうど、私が起業したころである。
元同僚で、当時のビジネスパートナーかつ友人から相談を受けた。職場に気になる子がいるということだった。ただ、彼女は我々が知り合ったとき、すでに婚約をしていたのだ。
それを承知の上で彼女を食事に誘いたいという相談だった。
当時の私は、婚約者のいる女性を食事に誘うのは非常識だという考えが強かったが、誘うべきかやめるべきか結論を出せずに彼と一緒に悩んでいた。
そこで、以前から尊敬していた元上司で、当時、彼らの職場で一緒に働いていた恩師に仕事のあとの飲み会で相談したのだ。
「誘うべきです」
恩師の解答である。
即答した後に、その理由を「心に素直に」と説明してくれた。
かつて私たちが同じ職場で働いていたとき、私は恩師のビジネスセミナーを撮影も兼ねて約一年間受講した。その後も、仕事や飲み会などを通して、公のセミナーでは語れないビジネスの世界や世の中の仕組みを数年間に渡って学ぶことができた。当時、我々の関係には公私の境目は存在していなかったのだ。
そして、この「心に素直に」という言葉を聞いた瞬間、これまでに学んできたことのすべてが私の中で、この一言に集約された。
その後まもなく、私たち三人は別々の道を進むことになる。
ちなみに、私は今でも公私をキッチリ分けている人は信用しないようにしている。少なくともビジネスパートナーに選ぶことはない。
「心に素直に」生きるということは、基本的に非常識なので、変人扱いされることも多く、疎遠になっていく人もいた。だが、これは正しい生き方だと今でも信じている。
また、「心に素直に」と「わがまま」の違いというか矛盾を常に考えてきた。
そして、利他主義のもとで素直に生きるのが「心に素直に」、利己主義のもとで素直に生きるのが「わがまま」というひとつの結論に達した。
8年以上続けてきたこのブログで言ってきたことが正解か不正解かわからない。また、先ほどの結論も同様である。
だが、人はらせん階段で成長するものなので、その時期によって言っていることが逆になることもあることをご理解いただきたい。ただし、それは、以前の自分自身を踏まえて超えていなければならない。これはドイツの哲学者であるヘーゲルが提唱したアウフヘーベン(止揚)という概念でもある。
いずれにしても、私の中で、このタイトルのブログにひとつの区切りがついた。
なので、この記事をもって終了したい。
「心に素直に」は、可能な限りこのまま残しておくので、今後も、誰かのお役立つことがあれば幸いである。
なお、世界平和を願って新たなタイトルのサイトをすでに運営している。
⇒ LOVE & PIECE
「心に素直に」の先の世界は、こちらで表現していきたいと思っている。ますます非常識な変態さんになって、血圧もコレステロールの数値も上がっている自分が心配な気もするが、このブログに共感していただける人たちにとっては役立つ内容になっているはずである。
ということで、この続きは上記のサイトで、ぜひ、ご覧いただきたい。
今まで、「心に素直に」を訪問してくれた方々やコメントをくれた方々には感謝の気持ちをいっぱい込めて、お礼の言葉にしたいと思う。
長い間、本当にありがとうございました。